北京は北京航空航天大学で開催された標題の学会に参加しました。前回、2014年に香港で開催された時 1に続き、二回連続二度目の出席です。中国本土は2009年に広州を訪れて以来で、北京語圏には初めての訪問でした。本学会は土日の二日間のみの開催であったことと、私自身が月曜日の夜にケンブリッジで授業を行わなければならなかったことにより、二泊五日の強行日程となってしまいましたが、知人が運営に深く携わっていて参加を促されていたことやlangstatさんからお誘いを受けたことで、参加を決めました。
行った発表は以下の通りです。Multidimensional Analysis Tagger (MAT)を用いてICNALEのサブコーパスをタグ付けし、Biber (1988)が特定した6つの次元上に各テキストをマッピングすることにより、学習者の話し言葉と書き言葉にはどのような差異が観察されるかを見た研究です。
Kobayashi, Y., & Murakami, A. Contrastive analysis of L2 speech and writing: A multi-dimensional approach
さて本学会では参加者の大半を中国語話者が占めていたため、コミュニケーションは頻繁に中国語で行われ、初日に行われた参加者全員の写真撮影に至っては指示が全て中国語でした。またアジアでのコーパス言語学の学会であるにもかかわらず日本人の参加者は少なく、我々を含めて発表は三件のみでした。これは開催時期の問題もあるのかもしれません。そして良くも悪くもコーパス言語学の学会らしく、発表の質もマチマチだと感じました。しかしそれでも私にとってはバーミンガム時代の友人や3-4年前に他の学会で知り合った人達などと再会でき、その意味では参加して良かったです。
また学会以外でも現在北京在住のPhD時代の友人達と会え、彼等に美味しい北京ダックのレストランに連れて行ってもらえました。万里の長城も訪れたのですが、天候が悪く霧(?)のため数十メートル先も見えない状態でした。またタクシーをチャーターして行ったのですが、往復で800元と現地の物価を考えると割高であったこともあり、あまり良い思い出とはなりませんでした。
今回は中国本土ということもあり、事前にVPNをMBPとiPhoneの双方にインストールして行きました。ケンブリッジ大学が提供しているVPNとHexatechというアプリがとりわけ役立ちましたが、そもそも会場にWi-Fiがなく、またローミングも非常に遅く使い物にならなかったため、実質的に会場ではインターネットアクセスがない状態でした。
次回の本学会は2018年に日本で開催されるようです。その時にどこで何をしているのかわかりませんが、可能であればまた参加したいと思います。