タスク効果論文

Language Learning誌のEarly Viewに下記の共著論文が掲載されました。

Alexopoulou, T., Michel, M., Murakami, A., & Meurers, D. (2017). Task effects on linguistic complexity and accuracy: A large-scale learner corpus analysis employing Natural Language Processing techniques. Language Learning. Advance online publication. doi: 10.1111/lang.1223 [リンク]

様々な言語的複雑性や正確性の指標の横断的発達並びにそれらへのタスクやタスクタイプの効果を学習者コーパス(EFCAMDAT)に基づき分析した実証研究で、数ヶ月後に出るLanguage Learning誌の特集号(Language learning research at the intersection of experimental, corpus-based and computational methods: Evidence and interpretation)に載録されます。

学習者コーパス研究ではタスク効果に頻繁に言及されるものの、それを中心に据えた論文はあまり(全く?)ありませんでした。SLAでのSkehanやRobinsonの枠組みを用いるには典型的な学習者コーパスのデータは粗すぎるというのが私のこれまでの印象でしたので、今回、タスクの特徴付けを事後的に行ってもある程度は予想に沿った産出になるという結果は面白いと思います。

また本プロジェクトは私がケンブリッジ大学に着任直後(2015年11月頃)に始まり、離任直前にオンラインに公開されました。これがケンブリッジでの期間の主成果というわけではありませんが、この1年半弱はコンスタントにこの論文関係のことを行っていたので、将来ケンブリッジでの任期を振り返る時、この論文を思い出すのではないかと思います。

本論文に関わるジャーナルとのやり取りは以下のように進行しました。

2016年6月3日: 投稿
2016年6月8日: 著者の匿名化と全体のフォーマット(ダブルスペースなど)を修正するようにとの依頼を受け、微修正後に再投稿
2016年7月19日: Round 1の査読結果の通知(2名分)
2016年8月12日: 3人目の査読者のコメントが送られてくる
2016年9月2日: 修正後に再投稿。直後に小ミスに気づき修正し、unsubmitしてもらい同日再投稿
2016年11月20日: Round 2の査読結果の通知(査読者は1名のみ)。この時点で原則acceptされる。
2016年12月16日: 修正後に再投稿
2016年12月18日: Acceptの通知
2017年1月23日〜: proofの確認や微修正等々を数ラウンド
2017年3月20日: オンラインに掲載される

今後もこのメンバーで研究を続けていく予定ですので、第二弾やそれ以降の論文もご期待ください。

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